BOOKレビュー
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「ひとりビジネスの教科書」佐藤伝著
独立や起業は決して「夢の世界へのチケット」ではなく、新しく創業した会社の85%は5年以内に解散・倒産で消滅しているという。本書は、会社を辞めず、貯金がなくても始められる自宅起業「ひとりビジネス」を成…
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「和僑」楡周平著
元商社マンの山崎は、過疎高齢化にあえいでいた故郷・緑原町の町長となり、8000人が暮らす老人向け定住型施設「プラチナタウン」を誘致。4年が経ち、雇用や消費の増加で財政破綻寸前だった町に活気が戻ってき…
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「中野のお父さん」北村薫著
美希が勤務する出版社が主催する新人賞の社内選考会で最終候補作4作品が決まった。美希が推す「夢の風車」は、中でもダントツの出来栄えで受賞は間違いないと思われた。美希は、さっそく「夢の風車」の作者の国高…
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「このせちがらい世の中で誰よりも自由に生きる」湯浅邦弘著
「せちがらい」現代を生きるすべを老子・荘子の教え「老荘思想」に学ぶ生き方テキスト。 人生「こんなはずじゃなかった」と居酒屋でため息をついていた男に老人が話しかけてきた。老人に問われるまま、男は…
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「風かおる」葉室麟著
黒田藩藩士の三女に生まれた菜摘は、3歳で同じ藩の佐十郎の元に養女に出された。しかし、10年後に佐十郎が致仕したため実家に戻り、鍼灸師の亮に嫁いだ。夫から鍼灸術やオランダ医学を学んだ菜摘は、今では長崎…
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「だまし犯罪百科」間川清著
振り込め詐欺など特殊詐欺の昨年の被害額は約560億円。本書は、高齢者を狙い、ますます多様化・巧妙化するだましの手口を物語形式で紹介しながら、その対応策を伝授するハンドブック。 いままでの電話…
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「執着 生きづらさの正体」香山リカ著
人間は、挫折や失敗をきっかけに「これをどうしても手に入れたい」とこだわるようになり、「それができなければ生きている意味がない」と思いつめ、結果的に極端な行動に走ってしまうことがある。そのこだわり、思…
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「あなたの空洞」伊藤たかみ著
妻の愛里が、20年目を迎えた結婚記念日に温泉に行こうと言い出した。本当は、俊之と愛里が同棲を始めて20年なのだが、3年目に子供が出来て慌てて入籍したものの、流産してしまい、以来、結婚記念日は同棲記念…
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「冒険歌手 珍・世界最悪の旅」峠恵子著
順風満帆な人生を歩んでいたシンガー・ソングライターの著者は、あまりの順調さに「このままでいいわけがない」と不安を抱いていた。苦労を知らないという弱点を克服すべく模索していた30代のある日、手にした雑…
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「人を、殺してみたかった名古屋大学女子学生・殺人事件の真相」一橋文哉著
世間を震撼させた殺人事件の犯人の心の闇に迫るノンフィクション。 昨年末、名古屋大学理学部に通う19歳のマリー(仮名)は、アパートの自室で知人を殺害。77歳の被害者は、数カ月前に宗教の勧誘をき…
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「服従」ミシェル・ウエルベック著、大塚桃訳
19世紀のデカダン作家ユイスマンスの研究者であるフランソワは、ソルボンヌ=パリ第4大学で博士号を得て、パリ第3大学で教えている。結婚をせず、毎年、新入生と恋愛関係を続けてきたフランソワだが、教授に昇…
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「地図を読むと、山はもっとおもしろい!」鈴木みき著
登山に必須の、地図を読む技術の基本を解説するコミックエッセー。 読図の技術をマスターするのはそう簡単なことではないが、本書では「登山道を間違えない」に重点を絞り、読図の基本中の基本を伝える。…
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「多縁社会」篠原聡子、空間研究所、アサツーディ・ケイ著
東日本大震災の際に多くの日本人は、失われたはずの「縁」がまだ生き続けていることを実感した。本書は、「血縁・地縁・社縁」といった従来の考え方にとらわれない新しい住まい方・暮らし方を実践している人々の姿…
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ルパンの娘 横関大著
恋人の和馬の実家を訪ねた華は、玄関に飾られた家族写真に衝撃を受ける。全員が警察官の制服を着ていたのだ。和馬からは公務員としか聞いていなかった。華の家族は祖父母も含め全員が泥棒で、唯一、華だけが図書館…
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「核の時代70年」川名英之著
核兵器廃絶は人類の悲願だが、その削減は一向に進んでいない。本書は、「核の時代」の起点となった広島・長崎の被爆の実態と、この70年の核兵器問題の経過を検証したリポート。 1938年にウラン23…
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「雨の裾」古井由吉著
高層階の窓から驟雨を眺めながら、初老の男が友人に向かって語りだす。まだ若いころ、梅雨時に母を亡くしたことを。 母親との2人暮らしが長い息子は、病院に足しげく通い、母に付き添う。息子には付き合…
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「国立科学博物館のひみつ」成毛眞、折原守著
前副館長の折原氏の案内で国立科学博物館を楽しみ尽くすガイドブック。 上野駅から歩いて5分。来館者を出迎えてくれるのは世界最大の動物シロナガスクジラの実物大レプリカだ。お薦めコースの日本館3階…
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「増補新版 毒ガスの島」樋口健二著
戦時中、日本軍は瀬戸内海に浮かぶ大久野島で極秘に毒ガス兵器を製造。何も知らされず島で働かされた6000人もの人々は、戦後、不治の毒ガス後遺症に苦しめられたが、国は責任を回避し、多くが補償も受けられず…
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「税理士がこっそり教える!相続税がかぎりなくゼロ円になる方法」本郷孔洋著
相続税制改正に対応した節税テキスト。 改正によって基礎控除額が引き下げられ、より多くの人が相続税の申告が必要になった。子供や孫1人につき総額1500万円まで非課税の教育資金や、会社経営者が自…
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「真夜中の北京」ポール・フレンチ著、笹山裕子訳
1937年1月8日の早朝、北京旧市街の東、狐狸塔と呼ばれる望楼の下で金髪の少女の惨殺体が見つかる。知らせを受けた警察局のハンは、外国人が暮らすリゲーション・クオーター(公使館区域)の行政官トーマスと…