ルパンの娘 横関大著
恋人の和馬の実家を訪ねた華は、玄関に飾られた家族写真に衝撃を受ける。全員が警察官の制服を着ていたのだ。和馬からは公務員としか聞いていなかった。華の家族は祖父母も含め全員が泥棒で、唯一、華だけが図書館に勤める一般人だった。和馬との結婚を考えていた華は、前途を悲観する。
そんな中、華の祖父でスリ師の巌が何者かに殺される。巌は万が一に備え、華の兄・渉に命じて警視庁のデータベースを書き換え、立嶋という男になり済ましていた。独自に事件を調べ始めた華は、半年ほど前に和馬の祖父で元捜査1課長の和一と巌が酒場で会っていたという情報を得て、困惑する。
乱歩賞受賞作家書き下ろしの極上ミステリー。(講談社 1550円+税)