「真夜中の北京」ポール・フレンチ著、笹山裕子訳
1937年1月8日の早朝、北京旧市街の東、狐狸塔と呼ばれる望楼の下で金髪の少女の惨殺体が見つかる。知らせを受けた警察局のハンは、外国人が暮らすリゲーション・クオーター(公使館区域)の行政官トーマスと共に現場に駆けつける。少女の遺体は無残に切り刻まれ、顔も原形をとどめていなかった。
さらに調べると、少女の肋骨が切られ、心臓が抜き取られていた。やがて、少女は天津の寄宿舎からクリスマス休暇のために帰省中のパメラと分かる。パメラは、学者で、元英国領事のワーナーの養女だった。
実際に起きた事件をもとに描くノンフィクションミステリー。英米の2大ミステリー賞を受賞した話題作だ。(河出書房新社 1700円+税)