「あなたの空洞」伊藤たかみ著

公開日: 更新日:

 妻の愛里が、20年目を迎えた結婚記念日に温泉に行こうと言い出した。本当は、俊之と愛里が同棲を始めて20年なのだが、3年目に子供が出来て慌てて入籍したものの、流産してしまい、以来、結婚記念日は同棲記念日に引き戻されていた。愛里は2人の思い出の場所・伊豆大島を20年ぶりに再訪したいという。筋腫が悪化した愛里は医師から子宮の全摘出を勧められ結論を出せずにいた。医師からは今後の出産の予定も確かめられたに違いない。愛里は決めかねているようだが、俊之は彼女が大切だからこそ子宮を諦めて欲しい。しかし、それをどのように伝えようか考えがまとまらない。(「あなたの空洞」)

 微妙な心の揺れを抱えて生きる人々の日常を描いた4つの物語を収録。(文藝春秋 1700円+税)



【連載】BOOKレビュー

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    僕がプロ野球歴代3位「年間147打点」を叩き出した舞台裏…満塁打率6割、走者なしだと.225

  2. 2

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  3. 3

    “玉の輿”大江麻理子アナに嫉妬の嵐「バラエティーに専念を」

  4. 4

    巨人「先発6番目」争いが若手5人で熾烈!抜け出すのは恐らく…“魔改造コーチ”も太鼓判

  5. 5

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  1. 6

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 7

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  3. 8

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  4. 9

    大江麻理子アナはテレ東辞めても経済的にはへっちゃら?「夫婦で資産100億円」の超セレブ生活

  5. 10

    裏金のキーマンに「出てくるな」と旧安倍派幹部が“脅し鬼電”…参考人招致ドタキャンに自民内部からも異論噴出