昭和・平成ヒット曲の裏側
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秋川雅史「千の風になって」昼下がりの百貨店のご婦人狙い
1999年にビクターエンタテインメントから系列会社のテイチクに移籍しました。ディレクターではなく、プロデューサーとしてですが、さだまさしさん、BEGINらいろいろなアーティストに携わりました。お笑い…
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小泉今日子「私の16才」はディスコサウンドを意識した
大河ドラマ「いだてん」で、古今亭志ん生の長女の美津子役を演じて話題の小泉今日子さん。実はデビューから4作のシングル曲を私が担当しています。 彼女は神奈川県厚木市の生まれで、中学3年生の時に「…
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石野真子「春ラ!ラ!ラ!」は元旦に発売された季節ソング
いまは随分減りましたが、昔は季節ソングがたくさんありました(我々は季節商品と呼んでいましたが)。夏は盆踊り。スタンダードになると毎夏かけてもらえますからね。私は金沢明子の「イエロー・サブマリン音頭」…
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日吉ミミ「世迷い言」上から読んでも下から読んでも…
とんがってるっていうか、意表をついた企画色の強い作品はいくつかあって、そのひとつが日吉ミミの「世迷い言」。これはTBS系ドラマ「ムー一族」の挿入歌で、プロデューサーの久世(編注・光彦)さんから、「こ…
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森進一「襟裳岬」<後> A面かB面かで意見が真っ二つに
思いつきの企画が通って生まれた「襟裳岬」。作曲の吉田拓郎から届いたデモテープは、ものすごくテンポが速かった。これでは森進一の良さが出ないと私が取った策は、テンポを極端に落とすことでした。アレンジャー…
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森進一「襟裳岬」<前>思いつきの企画でセールス100万枚超
私のディレクター人生最大のヒット曲が森進一の「襟裳岬」。レコード売り上げは100万枚を超え、その年のレコード大賞と歌謡大賞をダブル受賞。紅白歌合戦でも初の大トリを飾るなど、森さんにとっても代表作と言…
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「走れコウタロー」は発売直前にメンバーが急死して…
「これから始まる大レース……」という歌詞で始まるこの曲。競馬好きなら一度は聴いたことがあるのではないでしょうか。歌ったのはソルティー・シュガー。何を隠そう私もメンバーのひとり。後に「岬めぐり」でブレー…
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「てんとう虫のサンバ」…お遊びの曲が大ヒットで紅白に
ヒット曲は狙って作れるものではありません。でも音楽ディレクターとしては、シングル曲はすべてヒットさせるつもりで作っています。 でもこの曲だけは、全く売れるとは思っていませんでしたね。チェリッ…
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「卑弥呼」歌手以外日本人で作り上げた“なんちゃって洋楽”
ユーロビートの「ダンシング・ヒーロー」が大ヒットする6年前。世の中は竹の子族、そしてディスコブームに沸いていました。 新宿などに大箱のディスコがたくさんでき、週末になると「アラベスク」や「ジ…
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ダンシング・ヒーロー(後)タイトル案に思わず目が点…!
原曲の「イート・ユー・アップ」を聴くなり「これいい! ぜひ歌わせて」と言ってきた当時の荻野目洋子のマネジャー兼社長の平(哲夫)さん。「じゃあ私が(ディレクター)やるから。その代わり一切任せて下さい」…
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ダンシング・ヒーロー(前) DA PUMP「U.S.A.」のルーツ?
ディレクター、プロデューサーとして音楽業界に関わること46年。いわゆるヒット曲も幾つか残すことができました。一般の人では知り得ない制作現場の裏側を、当時を振り返りながらお話ししていきたいと思います。…