ダンシング・ヒーロー(後)タイトル案に思わず目が点…!
荻野目洋子(1985年)
原曲の「イート・ユー・アップ」を聴くなり「これいい! ぜひ歌わせて」と言ってきた当時の荻野目洋子のマネジャー兼社長の平(哲夫)さん。「じゃあ私が(ディレクター)やるから。その代わり一切任せて下さい」という条件で引き受けました。
訳詞は“伊藤さやか”で一緒に組んでいた篠原仁志に依頼。アレンジは当時から有名だった馬飼野康二さんに頼みました。彼の自宅のホームスタジオに2人でこもり、3日かけてオケテープ(歌の入っていない伴奏だけの曲)を作成。ドラムやベースなどすべてのリズムセクションを一から打ち込んで……そりゃあ大変な作業でしたよ。
出来上がったテープを持っていざスタジオへ。エレキギターとコーラス――コーラスは音大出のアシスタントに「予算ないからおまえやれよ」って(笑い)、低い声で歌わせ、後は機械で細工。だからスタジオミュージシャンを雇ったのはエレキギターだけだったんじゃないかな。
さて、いよいよ歌入れ。音楽ディレクターにとってこの歌入れこそが重要で、映画やドラマのディレクターにとっての“演出”に当たります。