日吉ミミ「世迷い言」上から読んでも下から読んでも…
「世迷い言」(1978年)
とんがってるっていうか、意表をついた企画色の強い作品はいくつかあって、そのひとつが日吉ミミの「世迷い言」。これはTBS系ドラマ「ムー一族」の挿入歌で、プロデューサーの久世(編注・光彦)さんから、「こんど日吉ミミを出すから」って発注が来た。「走れコウタロー」の頃に「男と女のお話」が売れてたから、歌番組かなんかで一緒になって、日吉ミミとは昔から仲良かったんですよ。
で、作詞の阿久悠さん、久世さん、日吉ミミ、そして私の4人で企画会議をやったんです。いろいろ話しているうちに出てきたのが、上から読んでも下から読んでも同じっていう言葉。雑誌に載ってたのかな。“八百屋”から始まって“竹やぶ焼けた”みたいな。一番長いのが“ヘアリキッドけつにつけドッキリあへ”。くだらないよね(笑い)。
そんな中で私がポツリと言った「世の中バカなのよ」って言葉に久世さんが「面白い!」って乗っちゃって……。で、作曲どうしようって話になって、また私が思いつきで「中島みゆきはどうですか」って言ったら、それもまた採用になっちゃって。日吉ミミと何となく歌い方が似てると思ったんですよ。