「走れコウタロー」は発売直前にメンバーが急死して…
走れコウタロー(1970年)
「これから始まる大レース……」という歌詞で始まるこの曲。競馬好きなら一度は聴いたことがあるのではないでしょうか。歌ったのはソルティー・シュガー。何を隠そう私もメンバーのひとり。後に「岬めぐり」でブレークする山本コウタローもいました。
中・高の同級生が大学時代に寄り集まってつくったバンド。最初はキングストン・トリオというアメリカのフォークグループのコピーをしていました。別にプロを目指していたわけじゃなく、70年安保で大学が封鎖になって、やることがないから音楽でもやろうと(笑い)。そのうちオリジナル曲を作るようになり、ライブに出るようになり、テレビに呼ばれるようになり、ついにはレコードデビュー。人生、何がどう転ぶかわかりません。
デビュー曲「ああ大学生」は大して売れませんでした。2枚目のシングルが「走れコウタロー」です。最初は「走れミノル」という、当時人気があった万年2、3着のサラブレッドの名前だったのですが、ちょっとゴロが悪い。そこで、メンバーの山本コウタローがいつも練習に遅れてきて、「早くしろ! 走れ!」とけしかけられていたので、「コウタロー」としたんです。