「てんとう虫のサンバ」…お遊びの曲が大ヒットで紅白に
てんとう虫のサンバ(1973年)
ヒット曲は狙って作れるものではありません。でも音楽ディレクターとしては、シングル曲はすべてヒットさせるつもりで作っています。
でもこの曲だけは、全く売れるとは思っていませんでしたね。チェリッシュの「てんとう虫のサンバ」です。チェリッシュ最大のヒット曲で、結婚式の定番ソングとして教科書にも載っていますが、当初はアルバムの中の一曲として、正直、“お遊び”で作ったものだったからです。
そもそもチェリッシュとの出会いは、1971年に開催された「全国フォーク音楽祭」。当時5人組だったチェリッシュは見事優勝。僕は所属していた「ソルティー・シュガー」のメンバーとして、ゲスト席から彼らを見ていました。まさかその後、ディレクターと歌手として再会するとは思ってもいませんでしたが。
その後、チェリッシュは71年9月にビクターからデビュー。5人グループとして2枚シングル曲を出し、72年の「ひまわりの小径」から、松崎好孝と松井悦子(結婚したのは5年後)の男女デュオとして活動を始めていました。