秋川雅史「千の風になって」昼下がりの百貨店のご婦人狙い
「千の風になって」(2006年)
1999年にビクターエンタテインメントから系列会社のテイチクに移籍しました。ディレクターではなく、プロデューサーとしてですが、さだまさしさん、BEGINらいろいろなアーティストに携わりました。お笑い芸人のはなわさんの「佐賀県」も私の担当です。
「佐賀県」が大ヒットしてしばらくしたある日、はなわさんの事務所の社長が「イケメンのテノール歌手がいるんだけど……」と相談を持ちかけてきました。そして、一緒に見に行った銀座博品館のステージで歌っていたのが、秋川雅史さんです。
確かに甘いルックス。当時はヨン様ブームだったので、ヨン様ファンの主婦層に訴えかければウケるんじゃないかと考えました。平日の昼下がりに百貨店で買い物してそうなハイソなご婦人方向けに、イケメンのテノール歌手がポピュラーミュージックを歌う「クラシカル・クロスオーバー」と銘打ち、1枚目のアルバムを作りました。
それが結構売れたものですから、すぐに2枚目を作製しました。そして、当時クラシック界では異例だったシングルカットをすることにしました。それが名曲「千の風になって」です。