体脂肪が気になる方に…とうたわれるクスリは短期での効果は期待できない
高齢になると基礎代謝が落ちるため、若い頃よりも体重が増えてしまう人は少なくありません。そんなとき、テレビで「体脂肪が気になる方に……」といった肥満対策に効果があるとするクスリのCMを目にしたことがある人もいるのではないでしょうか。そういったクスリの多くは「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」という漢方です。
防風通聖散は病院で処方されることもありますし、ドラッグストアなどで市販されているものもあります。効能・効果として、「腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの次の諸症状‥高血圧の随伴症状(どうき、肩こり、のぼせ)、肥満症、むくみ、便秘」と記載されていますが、ほとんどは肥満症、特に便秘を伴う肥満症に用いられています。便秘は女性に多くみられる症状なので、女性に多く処方されている印象です。
防風通聖散に含まれる生薬には、体を温めて熱を発散する効果を持つものが含まれています。それによって体のエネルギー消費を高め、体脂肪の分解と燃焼を促進することで、肥満症を改善するとされています。
体重(kg)を身長(m)の2乗で割った数字を「Body Mass Index(BMI)」といい、BMIが22のときの体重が理想体重とされています。防風通聖散はBMIが25~30くらいの軽度肥満症に対してはあまり効果を示さず、30以上の中等度~高度の肥満症に対してより明確に効果を発揮する印象があります。そのため、普段は肥満症でない人が「最近なんとなく太り気味だな」といった感じのときに防風通聖散を服用したとしても、あまり効果が実感できない可能性が高いです。