高齢者の正しいクスリとの付き合い方
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剥がれてしまった「貼付薬」は再び貼り直さないほうがいい
クスリには「貼付薬」があります。湿布薬はもちろんですが、それ以外にも成分によっては気管支喘息、狭心症や心筋梗塞、認知症、パーキンソン病などの治療に用いられています。 高齢者の中にはこういった…
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クスリに施されている「コーティング」にはちゃんと意味がある
高齢者の中には、複数種類のクスリを服用している方もいらっしゃるでしょう。改めてクスリを見ていただくと、表面がツルツルしていて光沢がある錠剤があると思います。そういった錠剤は「コーティング」されている…
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最近よく見かける「配合錠」のメリットとデメリット
ここ10年くらいで「配合錠」というクスリをよく見かけるようになりました。高齢者の中には、すでに配合錠を服用・使用している方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。 配合錠とは、その名の通り複…
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採血による厳格なモニタリング「TDM」が必要なクスリもある
クスリの効果や副作用を確認するときに用いられるもののひとつに「血中濃度」があります。少し専門的な言葉になりますが、これを「薬物血中濃度モニタリング」(Therapeutic Drug Monitor…
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避難所ではなるべくトイレに行きたくないなら…利尿剤の中止も考慮する
これまでは大規模災害時のクスリの取り扱いについてお話ししてきました。大事なことなので再度お伝えすると、避難時に持って行く荷物には必ず「お薬手帳」を入れておいてください。これによって、大規模災害時であ…
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大規模災害時は支援チームの医師が発行する「災害処方箋」によりその場でクスリが交付される
大規模災害などで病院の受診が困難な場合、特例で「病院を受診しなくても薬局でクスリを受け取る」ことができます。今回の能登半島地震でもこの特例が適用されています。 ただし、「お薬手帳」(もしくは…
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多くの避難所で「クスリがなくなる…どうしたらいいのか」と質問を受けた
2024年1月1日16時10分、石川県能登地方でマグニチュード7.6の大きな地震が発生し、広い範囲で甚大な被害が生じました。能登地方に比べると軽微でしたが、私の居住地でも強い揺れの影響がありました。…
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現在、日本で承認されている認知症の治療薬は3種類ある
前回お話ししたように、現時点で認知症を根本的に治癒させるクスリはありません。認知症に対する薬物療法の目的は「症状の進行を遅らせる」ことです。クスリを使って認知症の進行を遅らせつつ、リハビリテーション…
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認知症を根本的に治すクスリは今のところ存在しない
2024年を迎え、昨年あったイヤなことはさっぱり忘れて新たな年に臨みたいと思っている方もいらっしゃると思いますが、忘れてはいけないことまで忘れてしまう病気があります。「認知症」です。今の超高齢社会で…
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インフルエンザの抗ウイルス薬は症状の持続を1~2日ほど短くする
今冬はインフルエンザが爆発的に流行しています。新型コロナウイルス感染症の影響か昨年まではインフルエンザに罹患する人がほとんどいませんでしたが、今年はいつも流行が始まる11月下旬ごろよりもかなり早いタ…
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2つの作用がある「アスピリン」は服用する時に注意が必要
高齢者の中には、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などに対して「アスピリン」を服用している方もいらっしゃるでしょう。でもみなさん、アスピリンと聞くと解熱鎮痛薬というイメージがありませんか? 今回はアスピリンの…
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尿で排泄されるクスリは腎機能が低下しているとリスクが高まる
体内におけるクスリの動き「ADME」の最後の段階は「排泄」です。クスリはいつまでも体の中にとどまることはなく、最終的には排泄を経て体の外に出ていきます。主な排泄の経路は尿中と糞便中になります。 …
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クスリの「代謝」を行う肝臓の機能が低下すると作用が強く出る危険
クスリの「吸収」と「分布」の次は、「代謝」についてお話しします。 代謝というと少しイメージしにくいかもしれませんが、「体の中で別の形に変わること」です。中にはまったく、あるいはほとんど代謝を…
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クスリは体に「吸収」されるだけでは効果は発揮できない
今回から、体に入ったクスリがどのような動きをしているかについてお話しします。 体内におけるクスリの動きを専門用語で「薬物動態」といい、われわれ薬剤師がクスリを取り扱う際には常に薬物動態のこと…
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薬剤師になるにはどうすればいい?…6年制で何が変わったのか
今回は番外編として、「どうすれば薬剤師になれるの?」についてお話しします。読者のみなさんのお子さんやお孫さんが、将来、薬剤師になることを目指していらっしゃるのであれば、少しでも役に立つ内容になるはず…
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「吐き気止め」のクスリはどのように作用して症状を改善するのか
ほぼすべての方が、これまでに一度は「吐き気」を催したことがあるはずです。では、吐き気とはどういったときに起こるのでしょうか。吐き気があるときにはそんなことを考える余裕はないと思いますので、それがない…
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高齢者が熱中症になりやすい理由と対処法…細胞内の水分量が減る
今年の夏は記録的な猛暑でした。連日、猛暑日を記録していた頃には、熱中症の高齢者がたくさん救急搬送されたというニュースをよく目にしました。老若男女、誰でも熱中症になるリスクはありますが、特に高齢者は熱…
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クスリによる“アナフィラキシー”は抗菌薬や造影剤の注射で起こりやすい
前回、「アナフィラキシーショック」の原因としてハチ毒と食べ物を挙げましたが、じつは他にもあります。それはクスリ(特に注射薬)です。 クスリによるアナフィラキシーショックの症状は、ハチ毒や食べ…
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“アナフィラキシー”に見舞われたとき役立つ自己注射キット
みなさんは「アナフィラキシーショック」をご存じでしょうか? 今回はその症状や原因だけでなく、対処法についてお話しします。 まず、医療で言う「ショック」とは、何らかの原因で血圧が急激に低下して…
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抗菌薬と一緒に「整腸剤」が処方されるのはどうしてなのか
この連載を読まれているほぼすべての読者は、これまでに何らかの感染症に罹患されたことがあるはずです。高齢者に多い感染症としては細菌性肺炎や尿路感染症などが挙げられます。そういった感染症の治療には「抗菌…