血をサラサラにする「抗血小板薬」はまず2種類併用が多い
読者の中には、血をサラサラにするクスリを使っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。ただ、一言で「血をサラサラにするクスリ」といってもいくつか種類があり、それぞれに使い方や注意点が異なります。
血をサラサラにするクスリは、血小板の働きを抑える「抗血小板薬」と、血液の凝固に作用する「抗凝固薬」に大別されます。これらのクスリは血の塊=血栓ができにくくする作用を持っていて、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞、塞栓症といった血栓で血管が詰まることにより発症する病気の治療・予防に使われます。
こうした血をサラサラにするクスリを使う場合、直感的には「どこの血管が詰まると問題なのか?」と考えるかもしれませんが、実際は「どこでできる血栓が問題なのか?」を考えなければなりません。
抗血小板薬は、主に動脈でできる血栓を予防する目的で使用されます。多くの方が聞かれたことがあるように、高齢になるとさまざまな要因により動脈硬化が進みます。動脈硬化は「古くなってパキパキになったホースのようなもの」と考えるとわかりやすいと思います。新しいホースは力を加えても柔軟に変形しますが、古いホースは力を加えるとひび割れてしまい水漏れすることもあります。血管も同様で、動脈硬化が進むと柔軟性が失われてしまいます。