抗血小板薬を使っている人が「出血」で注意すべきポイント
血をサラサラにするクスリのうち、「抗血小板薬」を使用している場合の一番の注意点は、「出血した場合に血が止まりにくくなっている」ということです。使っている人の中には、もしかしたら「ケガをしないように注意してください」という指導を受けたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、この指導は少し間違っていると思っています。ケガは基本的に突然予測できないところで発生するものだからです。そのため私は、①ケガの恐れのある作業をする場合は十分に注意すること②万が一、ケガをしたとしても慌てずにティッシュなどでしっかり圧迫すること……の2点を指導しています。
中には「血が止まらなくなる」と勘違いされている方もいらっしゃいますが、こういったクスリを使用していると血が止まらないのではなく「血が止まりにくくなっている」だけなので、しっかり圧迫していれば時間はかかりますがちゃんと止血できます。慌ててパニックを起こす方がよほど深刻なので、まずは慌てないということを覚えておきましょう。
もうひとつ、これは以前もお話ししましたが、他の病院や歯科を受診する際には、血をサラサラにするクスリを使用していることを必ず伝えてください。出血を伴う治療や検査がある場合にこういった情報が伝わっていないと、予想外の大出血につながってしまう可能性があるのです。意外と見落とされがちなのが歯科での抜歯なので、注意しましょう。