東敬一朗
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東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

手術を受ける時に注意すべき「サプリメント」がある

公開日: 更新日:

 以前、血をサラサラにするクスリを取り上げた回で「手術前には休薬が必要になる」というお話をしました。今回は、手術を受ける際にクスリと同じく「中止したほうがいいサプリメント」について説明します。ただ、個々のサプリメントではなく、含まれている成分についての話になります。ご自身が使われているサプリメントの成分表と照らし合わせながらご一読ください。

 まずは、出血リスクが増加するサプリメントです。「イコサペント酸エチル(EPA)」や「ドコサヘキサエン酸(DHA)」「イチョウ葉エキス」「ニンニク」「チョウセンニンジン」「ショウガ」「アロエ」「ノコギリヤシ」の成分を含むサプリメントが該当します。特に高齢者で使われている可能性があるものは、チョウセンニンジンやノコギリヤシでしょうか。チョウセンニンジンは滋養強壮や免疫機能の強化などに効果があるといわれていますし、ノコギリヤシは前立腺肥大症に伴う排尿障害に対して使っているという高齢の男性もいらっしゃるかと思います。

 これらの多くは、成分自体に血液凝固阻害作用や末梢循環改善作用があり、特に血をサラサラにする薬と一緒に使っていると手術の際の出血リスクを高めます。ノコギリヤシは、理由は分かっていませんが、やはり出血リスクが高くなることが知られています。手術の時に出血が増えると命に関わりますので、そういったリスクを避けるためにも手術前には中止したほうが良いでしょう。

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