著者のコラム一覧
東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

AGA治療薬は高い効果が期待できる一方、深刻な副作用リスクも

公開日: 更新日:

 近年、テレビのCMなどで「AGA」という言葉をよく聞くようになりました。AGAとは「Androgenetic Alopecia」の略語で、日本語にすると「男性型脱毛症」です。

 男性ホルモンと遺伝が関連している脱毛症で、実際に悩まれている人、さらにはすでにAGA治療薬を使っているという人もいらっしゃると思います。今回は、このAGA治療薬についてお話しします。

 病院で処方されるAGA治療薬として、「フィナステリド」や「デュタステリド」(いずれも成分名)があります。語尾が似ていることからお気づきかもしれませんが、これらは効果を示すところが同じクスリです。具体的には、テストステロンからジヒドロテストステロンが生成される際に5α-還元酵素が関係していて、AGA治療薬はこの5α-還元酵素の働きを阻害することで効果を発揮します。

 こう聞くと、ジヒドロテストステロンが悪者のような感じがしますが、必ずしもそうではありません。ただ、毛髪にとってはあまり良いものではありません。ジヒドロテストステロンは毛髪のもとである毛母細胞の働きを低下させてしまうからです。AGA治療薬によってジヒドロテストステロンが作られなくなると、毛母細胞が元気になることで脱毛が改善されるのです。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 2

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  3. 3

    前田健太は巨人入りが最有力か…古巣広島は早期撤退、「夫人の意向」と「本拠地の相性」がカギ

  4. 4

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  5. 5

    来春WBCは日本人メジャー選手壊滅危機…ダル出場絶望、大谷&山本は参加不透明で“スカスカ侍J”に現実味

  1. 6

    詞と曲の革命児が出会った岩崎宏美という奇跡の突然変異種

  2. 7

    高市政権にも「政治とカネ」大噴出…林総務相と城内経済財政相が“文春砲”被弾でもう立ち往生

  3. 8

    「もう野球やめたる!」…俺は高卒1年目の森野将彦に“泣かされた”

  4. 9

    連立与党の維新が迫られる“踏み絵”…企業・団体献金「規制強化」公明・国民案に立憲も協力

  5. 10

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋