著者のコラム一覧
東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

“紅麹問題”の報道を見てイチ薬剤師が思うこと…異変があればすぐに相談

公開日: 更新日:

 3月下旬ごろから、原料に紅麹を使ったサプリメントが原因として疑われている健康被害について多く報道されています。

 自身の健康のために摂取しているサプリメントで起きた事例で、中には死亡に至ったケースもあることから、世間の注目もとても大きくなっています。もしかしたら、この記事を読んでいる方の中にも、そのサプリメントを飲んでいた方がいらっしゃるかもしれません。

 以前「健康食品」を取り上げた際にもお話ししましたが、厚生労働省のホームページには、「いわゆる『健康食品(=サプリメント)』と呼ばれるものについては、法律上の定義は無く、医薬品以外で経口的に摂取される、健康の維持・増進に特別に役立つことをうたって販売されたり、そのような効果を期待して摂られている食品全般を指しているもの」と書かれています。つまり、サプリメントのほとんどは食品に該当します。そのため、健康食品やサプリメントのパッケージには「服用してください」ではなく「お召し上がりください」と記載されているのです。

 現時点でまだ原因は究明されていませんが、サプリメントの製造過程で青カビが混入し、そこから毒性のある成分が含まれてしまった、という説が有力なようです。原材料である紅麹そのものに問題があったわけではなく、製造過程の衛生管理に問題があったということです。これは、健康食品やサプリメントだけの問題ではなく、あらゆる食品や飲料にも起こりうることです。

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