『世にも恐ろしい「糖質制限食ダイエット」』幕内秀夫著
ダイエット効果が高く、肉や魚などは腹いっぱい食べられるため、我慢いらずで続けられると話題の糖質制限食。しかし、医療機関で30年にわたって食事指導を行ってきた著者は、このブームに異議を唱えている。
糖質を取ると、中枢神経から快楽や喜びを感じさせる物質が分泌され、ストレスが軽減される。しかし、糖質制限はこれを妨げ、精神の安定を欠きやすくなる。うつ病を患っている人は、糖質制限で症状が悪化するケースもあると本書。
また、糖質制限食はご飯や麺類を食べない代わりに、肉などから脂質を過剰摂取しがちになる。この食生活は、とくに女性に害が大きく、乳がんや卵巣がんなど婦人科系疾患を増加させる危険があると本書は警告している。
(講談社 840円)