「骨」をフル活用して走る編
ランニングで速く、長く走る方法として、筋力アップや心肺機能を高めることより、「骨」を活用することに注目が集まっている。体の一番深いところにある骨の動きを意識することで、体がしなやかに動いて負担が軽くなり、スピードもアップするというのだ。今回は、骨の動かし方の重要性が分かる4冊をご紹介。
ランニングの前にやることといえば、肩やふくらはぎなどのストレッチ。しかし、これらの動きが体のバランスを崩し、柔軟性も失わせるという驚きの新常識を解説するのが、松村卓著「『骨ストレッチ』ランニング」(講談社 840円)だ。
アメリカ陸上競技連盟の実験では、1400人をストレッチするグループとしないグループに分け、3カ月間ランニングをさせたところ、ケガをする割合はどちらでも同じことが分かった。また、クロアチアの研究チームがアスリートを対象に行った調査では、ストレッチによって筋力が5・5%、瞬発力が3%ダウンすることが明らかになったという。
通常のストレッチは、体表層の一部の筋肉だけは強く伸ばされるが、体全体の柔軟性は高まらない。つまり、伸びた部分と縮こまったままの部分が体のあちこちに表れ、体に負担がかかってケガの原因にもなりかねないのだ。