映画「ゴジラ」で読み解く日本的な物語の構図

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 今夏公開されたハリウッド映画「GODZILLA」。日本が生み出した最高傑作怪獣・ゴジラの最新版である。出版界ではこれを機に密かなゴジラブームが起こり、ゴジラファン垂涎の秘話・裏話本から、趣向を凝らした切り口で語るゴジラ論など多種多様な関連本が書店に多く並んだ。そこで今回はゴジラへの愛をこめて、厳選4冊をご紹介。

「ゴジラ」を語るとなれば、怪獣の名前やうんちくがあふれ出す……そんなマニアックな印象も強いが、一歩引いた目で日本全体の行く末と重ね合わせる必読のゴジラ本が「ゴジラとナウシカ」(イースト・プレス 1500円)だ。

 著者の赤坂憲雄(民俗学者)は帯でこう説く。「なぜゴジラは、おそろしいのか。なぜなつかしく、切ないのか」と。そして、ゴジラは“さまざまな象徴”であり、極めて日本的な物語の構図を持っている、と。

 1954年に誕生した第1作の「ゴジラ」は、あきらかに「反戦(厭戦)映画」と位置付けていい。水爆によって安住の地を追われ、人類に襲いかかるゴジラは恐るべき水爆や核戦争の象徴だという。

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