「犬たちの明治維新 ポチの誕生」仁科邦男氏

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 新聞社に勤めながら、定年退職が見え始めた50歳の頃、犬の歴史について本を書こうと決意。

「定年後は何をしようかと考えた。家にいてもつまらないし近所に友達もいない。サラリーマンなんてそんなもんですよ。いっそ犬の歴史を全部調べて分厚い本を作り、それを枕にして死のうかなと(笑い)。それが形になって、第2弾がこれです」

 特筆すべきは国内外の膨大な史料に基づいた、著者の新説・新解釈だ。犬はなぜポチと相場が決まったのかも、そのひとつ。

「幕末にイギリス人が作った『実習横浜語』という日本語会話の手引書にヒントがありました。幕末に洋犬が“カメ”と呼ばれていたゆえんと同様、英語の発音が、もともとあった日本語と共鳴して定着した。Come hereがカメ、Patch(ぶち)がポチとして一般化したと私は考えています」

 教科書には決して載らない幕末・明治期の裏側に、思わず膝を打つ。(草思社 1600円+税)

▽にしな・くにお 1948年、東京都生まれ。早稲田大卒。毎日新聞社入社。07年から会員誌「動物文学」で「犬の日本史」を連載執筆中。著書に「犬の伊勢参り」がある。

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