新宿警察署の中国語担当の通訳捜査官・七崎は、2年前、同じ仕事をしていた義父が取り調べ中に行った不正を見過ごすことができず告発する。法廷で違法行為を認めた義父は自殺。以来、同僚らの冷たい視線を浴び、妻との関係も悪化していた。
ある日、歌舞伎町の路地で他殺体が見つかり、通報者の中国人・王の事情聴取に同席。王の話では逃走した犯人は、背中に龍が描かれた水色のジャンパーを着ていたという。帰宅した七崎は、無断外泊した中学生の息子・健太の部屋で王の証言通りの血まみれのジャンパーが隠してあるのを見つける。
昨年度江戸川乱歩賞受賞作家の待望の第2作。
(講談社 1600円+税)