「無銭横町」西村賢太著

公開日: 更新日:

 20歳を目前にした貫多は、3カ月過ごした横浜を引き払い、要町の安アパートに引っ越す。これまでの怠惰な生活を改めようと、心機一転を期して横浜に行ったのだが、失恋と失業で決意はもろくも砕け、東京に舞い戻って来たのだ。しかし、その間に貫多は、作家・田中英光の小説に出合い、かつてない興奮を覚え、以来、田中の小説が心の支えとなってきた。さっそく神田の古書店へ足を運んだ貫多は、田中英光の作品を入手。その後も日雇いの日当からわずかな金を積み立て、家賃も払わずに田中の初版本を買いあさる日々が続く。(「菰を被りて夏を待つ」)

 無頼派私小説家の最新作を編んだ短編集。

(文藝春秋 1300円+税)


【連載】土曜あらかると

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    田中圭“まさかの二股"永野芽郁の裏切りにショック?…「第2の東出昌大」で払う不倫のツケ

  2. 2

    永野芽郁“二股肉食不倫”の代償は20億円…田中圭を転がすオヤジキラーぶりにスポンサーの反応は?

  3. 3

    永野芽郁「二股不倫」報道で…《江頭で泣いてたとか怖すぎ》の声噴出 以前紹介された趣味はハーレーなどワイルド系

  4. 4

    大阪万博「遠足」堺市の小・中学校8割が辞退の衝撃…無料招待でも安全への懸念広がる

  5. 5

    「クスリのアオキ」は売上高の5割がフード…新規出店に加え地場スーパーのM&Aで規模拡大

  1. 6

    のんが“改名騒動”以来11年ぶり民放ドラマ出演の背景…因縁の前事務所俳優とは共演NG懸念も

  2. 7

    「ダウンタウンDX」終了で消えゆく松本軍団…FUJIWARA藤本敏史は炎上中で"ガヤ芸人"の今後は

  3. 8

    189cmの阿部寛「キャスター」が好発進 日本も男女高身長俳優がドラマを席巻する時代に

  4. 9

    PL学園の選手はなぜ胸に手を当て、なんとつぶやいていたのか…強力打線と強靭メンタルの秘密

  5. 10

    悪質犯罪で逮捕!大商大・冨山監督の素性と大学球界の闇…中古車販売、犬のブリーダー、一口馬主