心に残る映画の舞台となったフランスの田舎町を訪ね歩く紀行エッセー。
病に侵された若い司祭が、赴任先の小さな村で村人たちの魂の救済に奔走する姿を描いた「田舎司祭の日記」(1950年)。その舞台であるアンブリクールは、パリから列車を乗り継ぎ到着したエダン駅から十数キロ離れた場所にあり、宿泊したエダンのホテルの主の車で向かう。司祭役のクロード・レイデュほど美しい横顔の俳優は見たことがないと語りながら、映画を見て思い出した中学時代の級友についてつづる。その他、「ショコラ」が撮影されたフラヴィニー村など、鉄道を乗り継ぎ名画の舞台10カ所を巡る。
(作品社 1800円+税)