「贅沢のススメ」本城雅人著
会社を売却して利ザヤを稼ぐ投資会社の社長・藤浪は、高級品を扱う会社にしか興味がない。そんな藤浪が、新たに目をつけたのは人気シェフ石嶋が経営するイタリアンレストランだった。
早速、店に乗り込んだ藤浪は、帳簿を念入りにチェック。部下の哲也はウエーターとして働き始める。それがいつもの流儀だった。
石嶋がテレビ出演で留守の間、フロアは古参のスタッフ英子が仕切っていた。2人は恋人かと思われたが、そうではないようだ。(「薀蓄家のイタリアン」)
その他、オーダーメードの高級シャツ店や高級木製椅子のデザイナーなど、買収劇を通して一流の人々の生きざまを描く連作小説集。
(講談社 1600円+税)