明治維新の真相に迫る本特集
「官賊と幕臣たち」原田伊織著
学校教育で教えられ、信じて疑わなかった江戸時代の鎖国と幕末の開国についての認識が覆される歴史テキスト。
薩摩・長州が幕府を倒すことによって欧米列強の日本侵略が阻止されたと学校では教わった。では、そもそもなぜ徳川幕府は「鎖国」政策を取ったのか。その背景には、キリスト教の布教目的と教えられた戦国時代の南蛮渡来人たちに、奴隷商人というもうひとつの顔があることを指摘する。薩長が尊皇攘夷とわめく中、体制維持に執着することなく、体制よりも国家を守るとの信念で、欧米列強外交団と渡り合い日本侵略を防いだ幕臣官僚の活躍を再評価する。(毎日ワンズ 1400円+税)