明治維新の真相に迫る本特集
「賊軍の昭和史」半藤一利、保阪正康著
明治維新によって官軍となった薩長は、近代日本の軍事組織でも主流となり、官軍的戦略や手法で太平洋戦争を始めて、突き進む。一方で戦争を収めるように奔走したのは、賊軍の藩の出身者だった。
天皇の聖断を仰ぐという超法規的な手段でポツダム宣言の受諾を決め、戦争を終結させた時の首相で関宿藩出身の鈴木貫太郎や、統率もビジョンもなく戦争を主導した陸軍の中にあって、国家の設計図を描いていた庄内藩出身の石原完爾など、彼ら賊軍出身の軍人たちの行動を検証しながら、太平洋戦争の真相を論じた歴史対談集。(東洋経済新報社 1500円+税)