「テロメア・エフェクト」エリザベス・ブラックバーンほか著、森内薫訳

公開日: 更新日:

 染色体のDNAの端にはタンパク質でできた保護キャップのようなものが付いており、DNAの束を守る役割を果たしている。これは「テロメア」と呼ばれ、加齢とともに短くなることでDNAの束をほつれさせ、私たちの老化や寿命を左右している。

 これまで、テロメアが短くなっていくことに生き物はあらがえないと考えられてきた。しかし近年の研究では、生活習慣次第でテロメアを保持したり、また伸ばすことすら可能であることが分かってきたという。

 テロメアにとって良い効果が期待できるのが、運動だ。運動によって酸素を多く取り込むと、テロメアに悪影響を及ぼす活性酸素が体内で一時的に増える。しかし、同時に抗酸化物質の生産も活発化し、やがて細胞を健康な状態に保てるようになる。テロメアの保持にも役立つというわけだ。

 ただし、ハードなトレーニングは抗酸化物質の生産が追い付かなくなるため厳禁。会話が可能な程度の速さで週に3回40分間歩いたり、3分速く走って3分遅く走るインターバルトレーニングなどもお勧めだ。他にも、テロメアによい食事睡眠も紹介。寿命を決めるのは、あなたの心がけひとつだ。
(NHK出版 2300円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭