「骨と筋肉が若返る食べ方」大友通明著

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 関節痛や腰痛など整形外科領域の疾患には、湿布や痛み止め、物理療法や手術などの治療方法を用いるのが一般的だ。しかし、整形外科医の著者が実践しているのが「栄養整形医学」という新しいアプローチからの治療。

 整形外科的不調の多くが栄養不足や栄養の偏りに起因しているとして、必要な栄養素を補うことで痛みの改善を目指すものだ。

 例えば、膝の痛みにはタンパク質とビタミンB群の摂取が推奨される。膝に水がたまる関節水腫と呼ばれる症状では、膝関節に炎症が起こり、関節液が過剰に分泌される。注射器で関節液を抜き取れば痛みは和らぐものの、炎症が治まらなければまた関節液はたまる。抗炎症剤を用いれば炎症も収まるが、その根本原因から改善するには、膝関節を守れるよう筋肉をつけることが不可欠だ。

 そこで必要なのが筋肉の原料となるタンパク質だ。筋肉がつけば血流が増え関節への栄養補給がよくなり、その結果、炎症も改善していく。さらに、粘膜を収縮させる作用のあるビタミンB群を併せて取ることで余分な関節液も減っていき、膝の痛みから解放されるというわけだ。

 骨のトラブルならタンパク質+ビタミンC+鉄、五十肩ならカルシウム+糖質制限など、さまざまな整形外科的不調に必要な栄養素を紹介。“強い骨と筋肉を作るためには魚より肉”など、栄養整形医学的な食事法も伝授している。長引く痛みに悩まされているなら、栄養を見直してみては。

(青春出版社 950円+税)


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