「自律神経を整える最高の食事術」小林弘幸著
厳しい食事制限でメタボを解消しても、健康を損なっては意味がない。そこで、テレビでも活躍する順天堂大学医学部教授の著者が勧めるのは、自律神経を整えて体重を減らす食事法だ。
自律神経は内臓器官のすべて、とりわけ血管をコントロールしている神経。そして、肥満の人の自律神経を調べてみると、そのバランスが崩れている人が非常に多いと著者は言う。ストレスにより暴飲暴食がやめられなくなったり、腸の働きが低下して腸内環境が悪化するなど、自律神経の乱れが心身に与える悪影響は計り知れない。
自律神経からダイエットを考えると、“食べなければ痩せる”というのも大きな間違い。食事を減らすと腸の動きが鈍り、その結果、自律神経の乱れを促進させるという悪循環に陥ってしまう。
一方で、自律神経は食事によってバランスを整えることも可能だ。例えば、朝食は必ず取ること。体内時計が正常に働くようになり、ホルモン分泌や新陳代謝が促進され、自律神経も整ってくる。ただし、朝食のメニューにはさほど気を取られる必要はない。自律神経にはストレスが大敵であるため、朝食を取ることがストレスになるのは良くない。手軽に食べられるコンビニのおにぎりや、バナナ1本でもOKだ。
他にも、食前には必ず水を飲む、遅い夕食は腹五分目で魚や赤身肉を中心になど、自律神経によい食事の工夫を伝授。カロリーだけを制限する食事からは卒業しよう。
(宝島社 1000円+税)