「伝説となった日本兵捕虜」嶌信彦著
第2次世界大戦末期、終戦の数日前に参戦したソ連軍は約50万人もの日本兵を捕虜とした。その多くがシベリアに抑留されたことはよく知られている。
一方で、満州から遠く離れた中央アジアのウズベク(現ウズベキスタン、当時はソ連領)まで連れていかれ、劇場建設の特殊任務についた捕虜たちもいた。彼らが現地の人々と建設し、その後の大地震にもびくともせず、今も当時のままの姿を保つ「ナボイ劇場」は、旧ソ連時代には4大劇場のひとつに数えられていた。
本書は、今も一帯の国々に日本人伝説として伝わる、そのナボイ劇場の建設に携わった永田行夫隊長以下457人の旧陸軍航空修理廠の工兵たちの戦いを描くドキュメンタリー。 (KADOKAWA 860円+税)