「白仏」辻仁成著

公開日: 更新日:

 筑後川河口に浮かぶ大野島の鍛冶屋に生まれた稔は、7歳のとき、墓守の友人の手引きで少女の遺体を見る。その夜、高熱でうなされた稔は、夢の中で白仏を見る。同じころ、父の長四郎が軍の鉄砲を修理する鉄砲屋に転じ、稔は工場に持ち込まれる拳銃に魅せられる。隣家の娘・緒永久に恋心を抱く稔だが、熊本へ嫁いだ緒永久は3年後、棺に入れられ、島に戻ってきた。大正7年、シベリア出兵に動員された稔は生死の境目を体験して帰国。やがて、稔は戦死した兵隊や緒永久、友人らを鎮魂するため彼らの遺骨で一体の仏像を造ることを決意する。

 明治から昭和にかけて生きた男の激動の人生を描いたフランスのフェミナ賞外国小説賞受賞作。

(集英社 640円+税)

【連載】文庫あらかると

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭