「月曜断食」関口賢著

公開日: 更新日:

 現代人の多くは「食べ過ぎ」の傾向にある。高カロリー・高脂質の食べ物を大量摂取することは、メタボはもちろん腸内環境を荒らすことにもつながり、免疫力が低下してあらゆる疾患の呼び水にもなりかねない。

 そこで、スポーツ選手のトレーナーなども務める著者が勧めるのが断食である。食べ過ぎで酷使してきた胃腸を休めることで体が本来の機能を取り戻し、回復力を引き出したり、体調を整えたりするのに役立つ。東洋医学では古くから行われてきた養生法だ。

 そして、この断食を現代人の生活環境に合わせて実践しやすくしたのが、本書で紹介する月曜断食。

 そのメソッドはシンプルで、月曜から日曜までの1週間を「不食(断食)→良食→美食」のサイクルで過ごすというもの。家族や友人と過ごす週末は好きなものを食べ、週の初めに断食で体をリセットし、火曜から金曜は糖質オフで野菜中心のメニューを取るのだ。

 本書では、月曜断食の食事のルールを詳しく解説している。月曜に口にしてよいのは常温の水か白湯(さゆ)だけで、目標は1日2リットルだ。大切なのは、火曜の回復食。丸1日空っぽになっていた胃に食べ物が入ると、消化のいいものでも体はビックリしてしまう。また、糖質の多いものをいきなり取ると、急激に高血糖になる血糖値スパイクに陥り不調が起こる恐れもある。

 そこで火曜の朝は、ショウガと大根おろしの味噌汁や、みじん切りのブロッコリーを白だしで煮たものなど、野菜をスープや味噌汁の形で取る。そして昼は豆腐などの大豆製品を、夜はタンパク質を足していくといった具合だ。

 手軽にできる平日のレシピも紹介。月曜断食で、体質改善に挑戦してみては。

(文藝春秋 1100円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦は大関昇進も“課題”クリアできず…「手で受けるだけ」の立ち合いに厳しい指摘

  2. 2

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  3. 3

    マエケン楽天入り最有力…“本命”だった巨人はフラれて万々歳? OB投手も「獲得失敗がプラスになる」

  4. 4

    中日FA柳に続きマエケンにも逃げられ…苦境の巨人にまさかの菅野智之“出戻り復帰”が浮上

  5. 5

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  1. 6

    高市政権の“軍拡シナリオ”に綻び…トランプ大統領との電話会談で露呈した「米国の本音」

  2. 7

    エジプト考古学者・吉村作治さんは5年間の車椅子生活を経て…80歳の現在も情熱を失わず

  3. 8

    日中対立激化招いた高市外交に漂う“食傷ムード”…海外の有力メディアから懸念や皮肉が続々と

  4. 9

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  5. 10

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ