「やわ肌くらべ」奥山景布子著

公開日: 更新日:

 歌人の与謝野鉄幹が東京新詩社という雑誌の結社を立ち上げた。講演会の後の歌会で、鳳晶子は山川登美子と出会う。鉄幹が発行する歌誌「明星」に全国から短歌が投稿されるようになった。鉄幹の内縁の妻、滝野は、送られてきた投稿歌を読んで愕然とした。

「あたらしくひらきましたる歌の道に 君が名よびて死なんとぞ思ふ 登美子」「病みませるうなじに細きかひなまきて 熱にかわける御口(みくち)を吸はむ 晶子」

 その後も彼女たちの作品に歌われている「君」とは、鉄幹のことではないのか。

 短歌の革新を実現しようとした与謝野鉄幹をめぐって、短歌と愛の絆でもつれ合う3人の女の葛藤を描く。

(中央公論新社 1870円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭