「数学の世界史」加藤文元著

公開日: 更新日:

「数学の世界史」加藤文元著

 タネから芽が出る瞬間が物事の始まりなら、割り算こそが数学の始まりだと著者は考える。

 例えば16を7で割ると、①16÷7=2余り2、または②2.2857……という小数、あるいは③  という分数、というように、いろいろな答え方がある。つまり、割り算は、その状況や文脈によって期待される答え方が違う。

 世界にはそれぞれの文明圏によって独特の割り算があり、それゆえ「割り算」は人間の高度な精神活動の所産と考えられるのだ。例えば古代バビロニアでは60進数が使われたため、割り算の答えも60進小数が使われた。

 数学者が数学を通して知の体系を探る。

(KADOKAWA 2420円)

【連載】今日の新刊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    自民党は戦々恐々…公明党「連立離脱」なら次の衆院選で93人が落選危機

  2. 2

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 3

    俺と巨人ガルベスの大乱闘の一部始終…落合博満さんのヘッドロックには気を失いかけた

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希の抑え起用に太鼓判も…上原浩治氏と橋本清氏が口を揃える「不安要素」

  5. 5

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  1. 6

    侍J井端監督 強化試合メンバー発表の裏に「3つの深謀遠慮」…巨人・岡本和真が当選のまさか

  2. 7

    メジャー今オフにも「二刀流ルール」撤廃の可能性…ドジャース&大谷翔平に他球団のやっかみ集中

  3. 8

    “児童ポルノ”で衝撃逮捕!日本サッカー協会・影山技術委員長の素性…「精神的な負担を抱えていた」の声も

  4. 9

    奈良の鹿愛護会が語った現場のリアル…「シカさんをいじめるな!」の裏に横たわっている大問題

  5. 10

    万博協会も大阪府も元請けも「詐欺師」…パビリオン工事費未払い被害者が実名告発