「それは令和のことでした、」歌野晶午著

公開日: 更新日:

「それは令和のことでした、」歌野晶午著

 船橋和世は変わり者だった。息子の太郎に、「太郎」という名は「世間の偏見をはかるためのリトマス試験紙よ」と言って、わざわざ古風に名付けた。そのうえ、フリルのついたシャツやスカート姿で通学させられたので、みんなに「女男」とからかわれた。

 太郎は中学からは共学の私立の中高一貫校に進学。だが、そこでもいじめはあった。同級生の看山家親(みやまえちか)はパンツを脱がされた太郎の動画をネットで世界デビューさせたと言う。太郎が看山ともみあっていると、看山が階段から落ちて、動かなくなった。太郎は逃げ出すが、間違えて看山のバッグをもってきてしまった。(「彼の名は」)

 奇妙な味わいのミステリー7編。

(祥伝社 2090円)

【連載】今日の新刊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇