20代でアルコール依存症 林マヤが語るトップモデルの重圧
そうなると、ますますお酒に走っちゃって生活は荒れる一方。当然、肌はボロボロだし、拒食症になってちゃんと食事が取れないから、栄養不足で倒れたり……。当然、仕事は激減。収入はガクンと減って日々の生活に困り、それでもお腹がすくから、買いだめしておいた猫のドライフードに手を出すまで追い詰められたんです。しまいにはダーリン(夫で野菜文化研究家の笛風呂タオスさん)と心中しようと富士の樹海に行ったこともありました。
でも、死ぬことができず、失意の中で日々の生活を改善することを真剣に考えたんです。荒れた生活を正すのはもちろん「体と心のバランスを取り戻すにはどうしたらいいのか」って。そして行き着いたのがオーガニック野菜の栽培です。知り合いのツテで茨城県守谷市に畑を借り、都内から通って土作りから始めました。暇さえあれば可愛い野菜たちと触れ合ってるうちに、すごく心が癒やされていったんです。
すると、お酒の味も飲み方も変わってきました。それまでは現実逃避だったのが、自分たちが丹精込めて作った色とりどりの野菜と一緒に味わうと、お酒本来のおいしさを感じるんですね。酒量も料理に合うだけになって依存症からも解放されました。
それで、09年に守谷へ引っ越して本格的に農業に取り組み、今では2300平方メートルの畑で年間220種ほどの野菜を作っています。今では、お酒は酔うためだけじゃなく、心も体も健康にしてくれることを実感しています。