PANTAさんは71年の三田祭で“ステージ・ジャック”をやった
平野「69年結成の頭脳警察は、なかなか先鋭的なことをやっていた。日劇のステージでマスターベーションをやったり慶応・三田祭のステージ・ジャックも聞いています」
「71年の11月です。三田祭出演のオファーを受けて行ったら、仕切っていた事務所Kから『演る時間がなくなった』と言われ、カチンときながらも『あっそ! 帰るわ!』と駐車場まで戻ったところで(ドラム&パーカッションの)トシが『PANTAさ~このまま(おとなしく)帰るのかよ?』と言ってくるわけ。すぐに引き返してステージのソデに陣取り、はちみつぱい(あがた森魚、鈴木慶一ら)の演奏が終わるのを待ったんだ。その次は、はっぴいえんど(細野晴臣、大瀧詠一、松本隆、鈴木茂)だった。彼らはステージの後方に待機。ストレッチをしながら出番を待っている。はちみつぱいの演奏が終わった瞬間だった。オレたちが出し抜いてステージに上がった。(頭脳警察のファンの)黒ヘルの親衛隊が周りをグルリと取り囲み、それから1時間ちょっとライブをやった。今でも、あのステージ・ジャックの状況は鮮明に覚えています」(この項つづく)