PANTAさんは71年の三田祭で“ステージ・ジャック”をやった
5月29日に「新型コロナワクチン」の1回目の接種を済ませた。「蚊に刺されたような痛み」だった。予防効果は70~80%。2回目で96%と聞いた。「これでライブに行ける!」。接種会場から渋谷リキッドルームに向かった。ハードロックバンド「怒髪天」のライブに参戦するためだ。爆音サウンドが床を伝って尾骨に響いた。「ここ1年、これに飢えていたんだよな!」。後期高齢者にしては、なかなかアグレッシブな動きと自画自賛しつつ――。71歳のロッカーPANTAさんも元気はつらつ。同30日には東京都の郊外・羽村市で行われた水族館劇場が主宰する野外劇場を見に行ったそうだ。受付に日本酒2本がドンと置かれ、熨斗紙に「御祝 頭脳警察」と書かれていた。何とも律義なPANTAさんらしい。
平野「仲の良かったフラワー・トラベリン・バンドに対して『グランドファンクとかクリムゾンを上手にコピーしてどうなる?』と言っていたPANTAさんは、あるライブ会場でフラワーの出番前に『これから物真似猿の大行進が始まる!』とステージから皮肉った」
「あのころのロックはコピー全盛。カナダに渡ったフラワーが、地元ミュージシャンとセッションをやったときに『ボクたちは東洋から来たミュージシャンを楽しみにしていた。聴き飽きたブルースじゃない。キミたち独自の音を聴かせてくれ』と言われ、聴いてもらえる音がないことにショックを受けた。フラワーはオリジナリティーを追求したアルバム『SATORI』をリリース。涙が出るほどうれしかった」