<44>ドン・ファンは「いつでも別れてやるから」と吐き捨てた
「で、どうなんですか?新妻は?」
A社長は早貴被告とは面識がないので聞いた。50代の彼は、しゃべりも上手で、田辺のドン・ファン宅にも招待されたことがある仲だ。
「感想はない……。嫌になったら別れるから」
「またまた、その気もないくせに」
私がちゃかした。
「いや、ホンマやで。いつでも別れてやるから」
ドン・ファンが吐き捨てたセリフを聞いて、多分2人はうまくいっていないのだろうと思ったが黙っていた。 (つづく)