韓国芸能界の“枕営業”や“性接待”は本当に存在するのか?
ドラマ「愛の不時着」(2019年)にカメオ出演し、話題を呼んだ韓流女優チェ・ジウ。日本で「ジウ姫」と親しまれた彼女は約20年前、「枕営業でテレビ局の社長を腹上死させた」と噂されたことがある。
しかし、結論から言うと、これはデマだった。相手とされた元MBC社長が01年に61歳で急死したのは事実だが、死因は夫人とのドライブ中に発症した食道静脈瘤の破裂だ。
韓国芸能界を巡るこの手の話は日本でも何度か騒がれてきたが、真相は拍子抜けすることが少なくない。11年には当時人気を博した女性グループの少女時代やKARAを巡り、「枕営業」疑惑が一部の日本メディアで伝えられた。だがこれらもやはり、根拠の乏しい臆測にすぎない。
その2年前には、女優チャン・ジャヨンの「性接待」疑惑が日本でも大々的に報じられた。チャンは09年3月、ソウル近郊の自宅で縊死。遺族の証言でうつ病による自殺とされたが、死の翌週に「性接待を強要されていた」ことを示唆する本人の文書が登場。韓国中を騒がす一大スキャンダルに発展する。
だが警察の捜査と裁判から浮上したのは、チャンの所属事務所代表Kと独立した元マネジャーYの争いだ。YはKを陥れるため、チャンを言いくるめて性接待を強要されたとする嘘の文書を書かせた。チャンは後にこれを後悔し、うつ病を悪化させたとされる。裁判ではKとYの2人だけが暴行、脅迫、名誉毀損などで起訴され、10年11月にそれぞれ有罪判決が下った。