肩が痛いと思ったら実は…死に直結「急性冠症候群」の恐怖
「症状が弱い」「しばらくして治まった」という時も、油断は禁物だ。
不安定狭心症は対処が遅れると心筋梗塞につながり、さらに対処が遅れると死ぬ。
ただ、心筋梗塞の治療技術は向上しており、早い段階で病院に運ばれれば、病院内の死亡率は6%と低い。
心筋梗塞の死亡の半数以上は「院外死」なのだ。
「病院へは早く行けば行くほどいい。心筋梗塞の発症から詰まった血管を再灌流(かんりゅう)(再開通)するまでの時間によって、治療効果は大きく異なる。近年の報告では、150分の再灌流と90分以内の再灌流では、院内で死亡するリスクは150分の再灌流の方が1.7倍も高い。カテーテル治療などによる再灌流は、搬送の時間を含め120分以内に行うのが理想と考えられています」
救急車で病院に運ばれても、検査やカテーテル治療、手術の準備などで、120分なんてあっという間に過ぎる。「あっ」と思ったら即行動が、急性冠症候群から身を守る鉄則なのだ。