肩が痛いと思ったら実は…死に直結「急性冠症候群」の恐怖
「急性冠症候群」をご存じだろうか? 心筋梗塞、不安定狭心症、心臓突然死の総称だ。急性冠症候群の症状と対策を正しく知っておくかどうかで、“結果”に天国と地獄ほどの差が出る。三越厚生事業団の水野杏一常務理事(日本医科大学名誉教授)に話を聞いた。
心筋梗塞、不安定狭心症、心臓突然死は、いずれも原因が同じだ。
「心臓を養う冠動脈にコレステロールなどが沈着して動脈硬化が起こり、プラークといわれる異常な組織が形成されます。何らかの刺激でプラークが崩壊したり、表面に裂け目が入ると、血小板が集まって血栓(血の塊)ができ、冠動脈が狭くなる。急激に狭くなると不安定狭心症、完全に詰まると心筋梗塞、この時に不整脈が生じると心臓の突然死になります」
病名は違っても、原因が同じなら対策も同じ。そのことから、急性冠症候群という総称で呼ばれるようになったという。
この急性冠症候群は、全ての人にリスクがあり、加齢とともにそのリスクは上がっていく。
「喫煙、肥満、糖尿病、高血圧、脂質異常症といった要因を持っている人はリスクがより高い。しかし、だれでも加齢で血管は老い、プラークや血栓ができやすくなります。だから喫煙などの要因がゼロでも、リスクがゼロではありません」