花粉症シーズンが終わってからも怖い「合併症」の深刻度
記録的な寒波の影響で、今年は花粉の飛散量が過去10年で2番目に少ない。しかし、これから気温が上昇すると、一気に急増するとみられている。花粉症だけでなく、その合併症にも注意が必要だ。
目がかゆくて涙がボロボロ、くしゃみが止まらず鼻水もズルズル……。ただでさえ厄介な花粉症だが、その花粉症がさらなる病気を引き起こすケースも多い。花粉の季節が終わってからも深刻な症状に悩みたくなければ、注意しておく必要がある。
まず「副鼻腔炎=蓄膿症」に気をつけたい。鼻の周辺にある骨の空洞部分に鼻水やうみがたまり、炎症を起こす病気だ。耳鼻咽喉科の専門医で「慶友銀座クリニック」(東京・東銀座)の大場俊彦院長は言う。
「花粉症によるアレルギー性鼻炎が続くと、粘膜が腫れて空洞から鼻へのルートが潰れてしまいます。そうなると、鼻水の流れが悪くなったり、空洞部分にうみがたまって炎症を起こし、副鼻腔炎になります。粘り気のある鼻水が止まらなかったり、鼻づまりが改善しないだけでなく、炎症が広がると頬、おでこ、目の周りが痛くなることもあります。嗅覚に障害が出て、ひいては味覚にも悪影響が出ます」