寿命を縮めかねない 心臓に負荷かける「残暑の水分補給」
気温の上昇でアップした体温を下げるためには、こまめな水分補給が大切になる。しかし、摂取する飲み物に注意が必要だ。
米ハーバード大の研究チームが男性4万人を20年間にわたって調査した結果によると、炭酸飲料などの砂糖入りのソフトドリンクを1日1缶(350ミリリットル)以上飲む人は、心筋梗塞などの心疾患を発症するリスクが20%アップするという。同じく死亡率も20%上昇し、女性でも同じような傾向がみられている。
また、米国で8万8500人の看護師が参加した健康調査によると、清涼飲料を1日1缶以上飲む人は、心臓発作を起こすリスクが20年間で40%も増加したという。
■室温調節も重要
「糖分が多い清涼飲料水を飲むと、急激に血糖値が上がります。それによってインスリン分泌が増え、膵臓への負荷とインスリン抵抗性が生じます。また、糖分代謝や脂質代謝異常、体内の炎症も生じるといわれ、心臓や血管にも負担がかかって心疾患を発症させるのです。糖分過剰によって産生される終末糖化産物(AGE)は、心臓や血管を傷め、動脈硬化や血栓症などを生じさせることも分かっています」(東丸氏)