猛暑で体のアチコチが脱水…胃腸の「熱中症」にも要注意
梅雨が明けてから連日、猛暑が続いている。熱中症対策が盛んにアナウンスされているが、「胃腸」にも注意が必要だ。
大量の汗をかく夏は、脱水傾向が強くなる。熱中症の原因にもなるが、胃腸にもダメージを与える。
実際、暑くなってくると「虚血性腸炎」の患者が増えるという。
脱水状態になると、血液の量が減って血の巡りが悪くなり、胃腸への血流も減る。腹部を流れている上腸間膜動脈と下腸間膜動脈が分岐している箇所はもともと血の巡りが悪く、脱水によってさらに血流が悪化すると、そこに位置する下行結腸からS状結腸にかけての部位に炎症を起こしたり、潰瘍ができてしまう。これが、虚血性腸炎だ。
日本消化器病学会専門医の江田証氏(江田クリニック院長)はこう解説する。
「脱水状態になりやすい夜間に発症するケースが多く、下行結腸やS状結腸がある左側腹部に激痛が走り、血便や下痢を起こします。昔は動脈硬化が進んでいる高齢者に多かった病気ですが、最近は40代以下の若い人にも増えています。先日も夜中に虚血性腸炎を発症した患者さんが運ばれてきました」