人工関節で完治も “3Dプリンター”で膝痛とオサラバする
「最も問題なのは、人工膝関節置換術を受けたのに痛みが取れない人、再置換手術を受けなければならない人が出てくることでした。3Dプリンターはこれらの問題を解決できたのです」
手術前に患者それぞれの立体的なモデルを作って入念なプランニングができるので、医者の経験値を補助し、安全で的確な手術が行える。入院期間は個人差があり数週間となるが、手術翌日から歩行訓練ができ、「手術したことを忘れてしまった」と話す患者が多いという。
せっかくの技術進歩を生かすには、変形性膝関節症についての誤った認識を改めたい。前出の「末期」症状で、どんな手を打っても痛みが解消されないようなら、「そのうち良くなるかもしれない」と考えるのはやめるべきだという。
「残念ながら、膝関節は元には戻らない。損傷が進むほど治療は大掛かりになり、術後の状態にも制限が出る。適切な診断を受け、適切な時期に、手術を考えたほうがいいと思います」
また、人工膝関節は複数のメーカーから出ており、30近く種類がある。膝軟骨の状態に応じて選べば、術後の快適な生活につながる。人工膝関節について選択肢を提示してくれる医療機関を選んだほうがいい。
3Dプリンターを使った手法を取り入れる医療機関は増えている。まずは、それを探すところから始めるのもいい。