人工関節で完治も “3Dプリンター”で膝痛とオサラバする
手術法として主流なのが、軟骨や痛んだ膝関節を取り除き「人工膝関節」に置き換える人工膝関節置換術。近年、注目されているのが、3Dプリンターを用いた手法だ。2013年に承認された。
■患者にぴったりの“型”を立体的に作製
「手術前にCTやMRIで脚全体の骨の画像を撮り、3Dプリンターを使って特殊な素材の膝関節モデル(写真下)を立体的に作製します。患者さんの膝にぴったり合ったそのモデルを、手術で膝の中に当てはめ、その形に応じて骨を切除していきます」
その後で人工関節を埋め込むのだ。
従来の方法では、手術時にさまざまな道具を用いて「どれくらい骨を削ればいいか」「どの角度で人工関節を埋め込めばいいか」を、医者の経験を加味して決めてきた。
そのため、削り幅や人工関節を埋め込む角度にズレが生じやすく、医者の経験値によっても左右された。加えて、手術中に検討されることが多いので、手術時間が長くなりやすい。結果的に出血量が増え、術後の後遺症のリスクが高くなり、患者への負担が大きかった。