【変形性膝関節症】60歳なのに杖なしで歩けなくなった女性

公開日: 更新日:

 厚労省の統計(2007年)によると、同疾患の「自覚症状を有する患者数」は約1000万人。潜在的患者数はざっと3000万人とも推定される。男女の比率は1対4と女性に多い。

 この病気の問題は両膝の痛みばかりではない。高橋さんは親族の法事では正座が難しくなり、いつも横座り。それでも、立ち上がるときに激痛が走る。

 これまでは「鎮痛薬」「湿布薬」「サポーター」など、対症療法でごまかしてきた。しかし、症状は加齢と共に悪化する一方だ。

■階段も幼児のようにハイハイで上り下り

 50歳を過ぎると、自宅から最寄り駅までの片道2キロが満足に歩けなくなった。途中で2、3回立ち止まり、膝をさすりながらため息をつく。

 60歳になると、自宅の階段が上れなくなる。昔は洗濯カゴを抱えてトントンと上っていたのに、いまは階段に両手をついて上り、下りるときは同じ姿勢で後ろ向きという情けなさ。まるで幼児のハイハイ状態である。

 両脚もいつの間にかO形に変形し、玄関先にある郵便受けに行くのもおっくうになってしまう。

 まだ60歳を越えたばかりで少し恥ずかしいが、外を歩くときは、ホームセンターで買い求めた1980円の杖に頼るようになっていた。

【連載】ドキュメント「国民病」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」