1歳未満の乳児にも解禁 タミフルはいつ安全になったのか

公開日: 更新日:

■保護者と相談のうえ処方を

 ちなみに欧米ではインフルエンザで病院に行っても安静を命じられるだけで、めったに薬を処方されることはないといわれる。そもそも脳症はインフルエンザウイルスに対する過剰な免疫反応が原因とされ、乳児は免疫力が強くないことが幸いし、症状は幼児と同じに見えても脳症が少ないといわれている。

 しかも、乳児は血液脳関門が成熟しておらず、薬が脳に移行する可能性を完全に否定しきれないのではないか、との心配もある。本当に日本で適用してよいのか?

「効能に明らかな人種差はないと考えられており、欧米で実績があるので問題ないと思います。そもそも1歳の幼児と生後11カ月の乳児とでは薬の吸収・分布・代謝・排泄に大きな違いはありません。日本でも、これまで少数例ですが幼児に投与して問題がなかったことが今回確認されました。今回、タミフル投与が必要と判断された乳児に対して、投与の道が開けたことは良かったと思います」(堤教授)

 母体からの移行抗体の存在や、感染の機会があまり多くないことで、乳児期前半はインフルエンザにかかりにくい。その意味では乳児でタミフルが必要となるケースはそれほど多くないという。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ

  2. 2

    フジテレビ「第三者委員会報告」に中居正広氏は戦々恐々か…相手女性との“同意の有無”は?

  3. 3

    大阪万博開幕まで2週間、パビリオン未完成で“見切り発車”へ…現場作業員が「絶対間に合わない」と断言

  4. 4

    兵庫県・斎藤元彦知事を追い詰めるTBS「報道特集」本気ジャーナリズムの真骨頂

  5. 5

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  1. 6

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 7

    冬ドラマを彩った女優たち…広瀬すず「別格の美しさ」、吉岡里帆「ほほ笑みの女優」、小芝風花「ジャポニズム女優」

  3. 8

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  4. 9

    やなせたかし氏が「アンパンマン」で残した“遺産400億円”の行方

  5. 10

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」